会社員、卒業してみた。

WEBメディアで働いてます。派遣社員です。好きな仕事をして幸せに、いい意味でラクに生きるためのティップスやコラム、読んだ本についてつづっています。夢はエッセイスト&コラムニスト。

知的好奇心を刺激されまくり。酒井順子さん著の読書エッセイ

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最近、読書熱が止まらない。

 

普段から、常時読んでいる本や読みたい本のストックはあるものの、ここのところ家事や人と会うなどのやらねばならぬこと以外は、ずっと本を読んでいた。

■読書熱のきっかけとなった、読書好きにはたまらない書評本

そのきっかけとなったのが、酒井順子さん著の『本が多すぎる』という一冊。

酒井順子さんのもっとも有名な著書といえば、30歳オーバー、独身、子なしに対する世間の目と、ご本人を含む彼女たちの日常をつづったコラム『負け犬の遠吠え』。女性の日常と腹の中を、冷静かつ軽快に見せてくれるコラムは、一回り未熟であるわたしでも、いつ読んでも笑えて、共感できて、何より、読み終わるとスカッとする。

『負け犬の遠吠え』以来ファンで多くの本を読んでいた。ただし、ここ数年、もしくはそれ以上前から、忙しさにかまけて、本を読むペースじたいが減り、酒井さんの本を読むのは年に1、2冊とペースダウンしていた。

その間に、女性向けのコラム以外にも、鉄道の本、旅の本、日本文学に関しての本など、さまざまな分野での著書を出されていて、半年ほど前からだろうか、少しペースアップして手にするようになっていた。

そんな酒井さんの作品を読んでいると、紀行作家の宮脇俊三さんの著書や古典文学作品など、ほかにもさまざまな本たちが登場しどれもとても気になっていて、いつか読もう、と思っていたのだが宮脇さんの本も酒井氏は現代訳されている枕草子もいまだ手にせぬまま。 そんな中みつけたのがこの本なのだ。

 ■読書の魅力がたっぷりつまっている

酒井氏が読んだ本がひたすら紹介されているエッセイなのだが、ページを読む手が止まらないとはまさにこのこと、とという状態に陥り、500ページ以上もあるのに飽きることなく読破。数え切れないほどの本が酒井氏の素直な所感を交えて紹介されていて知的好奇心が刺激されまくりだった。

まえがきには、意外なことに酒井氏ご本人は本を読むという行為に対して劣等感を抱いていたとある。 それでも、

 

記憶力や読解力や知的好奇心の高低を問わず、あらゆる人に別世界にワープする喜びを与えてくれるという、それは実に平等な娯楽なのです

と、読書の魅力を語り、また

ある本を読んでいたら別の本についてのことが書いてあって、それを読んだらまた別の本が読みたくなって……、と芋づる式に読みたい本が現れたときの嬉しさよ。そんな「読みたい」本が枕頭にそして机の上にある時は、「約束された幸福な未来」が、本の形をとってそこに存在しているようではありませんか。

(同書より引用)

と、読書好きなら誰もが経験する至福の瞬間を語る。 そんなふうに語る通り、この本にも本がもたらす「約束された幸福な未来」がつまっている。

タイトルの通り数え切れないほどの本が紹介されていて、全部読みたくなるし全部紹介したいので、ぜひこの本を読んでください、というのが正直な気持ちなのだが、せっかくなので好奇心をそそられた本をあげてみた。

■女性が選ぶ、女性の生き方本

『ミスアドヴェンチャー』

 

生きることのリアリティが感じられる本

生きるってこういうことなのだぁ

(同書より引用)

と酒井氏が言っている通り、イギリスの50代・独身・派遣社員の女性のごく普通の、ぜんぜん劇的じゃない人生をつづった本。普通、というか、一見するとさえない日常の中にある幸せに気づけるかも!?

ほか、酒井氏は、当時は斬新を通りこして過激だったのではないかという、男尊女卑時代のリベラル本であり、福澤諭吉著の女子向けの教育書『女大学評論 新女大学』や、なぜ諭吉がそのような思想にいたったかを綴る『福澤諭吉と女性』も読んでみたい。

■酒井氏独自の視点で選ぶ本

『あんこの本』

この本を見て、「行ってみたい」「食べてみたい」と私が思った"打率”は、他のガイド本の比ではない、驚異的な高さだった

 

読むにつれてあんこへの私の尊敬の念は、どんどん深まっていった。

(同書より引用)

「あんこへの私の尊敬の念」……。シンプルなタイトルと酒井氏の絶賛ぶりにそそられる。表紙も印象的!

ほか、落語にでてくる人たちの、死や人生の苦境に対しても、あっけらかんとしている理由がつづられた『落語の国からのぞいてみれば』なども気になるところ。

■こんな本があるなんて!仰天本

『音をたずねて』

きのこ図鑑とかならまだわかるが、き、きのこ文学の本などがこの世に存在したとは! 表紙がおしゃれでびびった。

著者とのうれしい共通点

また、この本では、酒井氏の日記形式ということや、読書というごく日常的な題材にしてることもあってか、今までに知らなかった著者の一面を見ることができたのが、ファンとしてはもっともうれしかった。

例えば、ノンフィクション作家の星野博美さんの著書『島へ免許をとりにいく』や『迷子の自由』が紹介されていたのだが、わたしは、星野さんのファンでもあり、そしてなんと、本書で酒井さんも星野さんのファンだということを知る。

友人でも星野博美さんを知っている人はなかなかいないので、非常に個人的な感想だが、憧れの方とのまさかの共通点にうれしいを通りこして、感激!